三代目店主が守り続ける昭和のカツ丼!「とんかつ すみだ川」
すすきの〜狸小路周辺には、数十年に渡って札幌の街を見守り続ける いわゆる老舗と呼ばれるお店が沢山現存します。
そんな中でもダントツに歴史の深い超老舗店があるのをご存知でしょうか?
とんかつ すみだ川
(南2西4)
札幌なのに”すみだがわ”とはこれ如何に?
実は、創業店主は戦後札幌に移住して来てここ狸小路にお店を構えたそうなんですが、その店主の出身地が隅田川の近くだったんだそう。いわばレペゼンスミダガワってことなんです。
すみだ川さんはなんと戦後まもなくの創業で、都合70年近く狸小路を守りつづけた超老舗とんかつ店です。
早速入ってみましょう。
この年季の入った細い階段をトントントンっと登るといきなり店内。
渋い!渋すぎる!新聞や週刊誌に並んで、何故かオークションハウス(作:小池一夫、画:叶精作)が置いてあるところも個人的には好感が持てます。
椅子もテーブルもそして扇風機にすら風格が漂っております。
この日は久々の突撃だったので、やっぱり看板メニューの一つカツ丼を注文。
テレビから流れる秋場所を見ながらのんびりと待ちます。
じゅわ〜〜〜!パチパチパチ……厨房の方からはカツを揚げている音が聴こえて来ます。
程なくお待ちかねのカツ丼がやって参りました。
ここのはご飯の上に載せたトンカツの更に上から卵とじの餡がかかっているタイプです。
カツはボールカツといって、薄切りのロース肉を丸めたものを自家製のパン粉をつけて揚げてあり、まさにボール状のトンカツです。(中くらいの大きさのザンギくらい)
餡は多めの玉ねぎに筍とシイタケが入っていて、味付けはシンプル。優しい中にしっかりとした旨み!まさに昭和のテイストです。
ちなみに現在の店主は三代目。初代のお孫さんなのかと思ったらそうではないそうで、元々初代のすみだ川さんに豚肉を卸していたお肉屋さんが、初代がなくなる際に「ウチのトンカツを守って欲しい」と頼まれて二代目を継ぎ、その息子さんが現三代目なんだそう。
肉屋さんとあって、豚肉へのこだわりは尋常ではありません。すみだ川が愛され続ける理由をかいま見た気がしました。
このボールカツ丼について来るお味噌汁がまた凄くいいんです。
甘辛いタレのカツ丼を頬張って、お味噌汁をズズっと。
あぁ〜!とついついため息が出てしまいます。
三つ葉の香りがアクセントになってこのお味噌汁を飲むと、またカツ丼に取りかかってしまい、全く箸を休ませてくれません。
食べ終わってふと箸袋を見ると何やら文言が。
すいたお方と
みちよりすれば
だまって出す味
川りやせぬ
玉川一郎
これは、折句といって、唄の頭文字に別の言葉(すみだ川)を隠して読む詩歌。
とんかつ すみだ川さんは閉店いたしました。