お店を知ってもらうには?避けては通れない広報活動のお話 part1。すすきので独立開業する時の第9歩目
これまで「すすきので独立開業」について色々とお話しして来ました。
確かに、開店資金を用意し→物件を探して→店舗を借りて→内装を施し→許可申請をすれば、誰でも開業することは出来ますし、競合他店や近隣界隈の情報を入手し分析すれば、大体の価格なんかも決めることが出来ると思います。
無茶苦茶いえば、この辺はうまく行っているお店のマルパクリでも全く問題ありません。というか、大体正解です。
ただし、飲食店を開業する人は開業することが目的なのではなくて、ある程度の集客をし、売り上げを獲得し、利益を得ることで生活をしていくことこそが本来の目的です。
つまり、続けていくことが命題なのです。
そこで一番ネックになるのが”集客”という部分ではないでしょうか?
今回は、「お店を知ってもらう」という部分に焦点を当ててお話をしたいと思います。
お店を知ってもらう方法をざっくりと分類すると
・リアル媒体
=いわゆるインターネット時代以前より活用されて来た宣伝方法
・インターネット媒体
=リアル媒体以外のインターネットを活用した宣伝方法
の2種類に分けることが出来ます。今回は、リアル媒体についてお話ししたいと思います。
リアル媒体の例
リアル媒体の中には、看板、チラシやDM、紙媒体(雑誌、新聞など)、放送媒体(TV、ラジオ、街頭放送など)などがあります。
あとはリアル人脈(友人、親類、仲のよい同業者)なんかも集客ルートの一つといえます。
とにかく開業当時は、そもそもお店の存在自体が認知されていませんので、より多くの人に知ってもらうことが急務となります。
よく、ある程度オペレーションが固まってからという意見がありますが、私的には反対です。
開店という恐らくこれからの中で一番のニュースネタを見逃すのは勿体ないです。
確かに、お店のクォリティが明らかについて来てない状況で、利用したお客様を失望させてリピート率が下がってしまったり、さらには悪評が立ってしまうのは懸念材料の一つではあると思います。
そういう場合は、身内や知り合いにだけプレオープンという形で告知をし、のちにグランドオープンを大きく宣伝するという方法が良いかと思います。(出来ればプレオープンからグランドオープンまではあまり期間を空けない方がよいでしょう。2週間前後がベストかと思います。)
意外と馬鹿に出来ない看板とチラシ・DM
看板は店頭にあるものが一般的ですが、ビルのエントランスやエレベーターに設置してある案内や、ビルの壁面や袖などにも設置出来ることがあります。(壁面看板や袖看板は別途料金がかかることもあります。)
また、1階物件でなくても置き看板やイーゼルなどをビルの入り口や歩道付近に置かせてくれるビルもあります。
看板は、入店したことのない人が近隣を通りかかった時や、ビル内の他のお店を利用する時などに、人目につくことでダイレクトな入店には繋がらなくても、「ああ、ここに何か新しいお店ができたんだな」とか「◯◯専門店ってちょっと気になるな」などのように、潜在的に来店するかもしれない人を獲得出来ます。
看板は、自分のお店を全く知らない人をお店に僅かでも興味を持ってくれた人へとステージアップしてくれる装置としては、非常に優秀な媒体です。
また、同様にチラシやDMも効果があります。
簡単にいうと、お店のことを知ってもらうための名刺大〜ハガキ大くらいのショップカードだと思って下さい。
近隣にポスティングしたり、近隣のあらゆるお店に挨拶に行って置かせてもらったり、たまたま出くわした知人に手渡したり、住所を知っている人に開業を知らせる手紙を書いたりして活用します。(同業店の顧客を直接ほじくるような無遠慮な営業行為はひんしゅくを買うのでほどほどにしましょう。)
開業当初は、DM(ダイレクトメール)用のハガキ大のものをショップカードやポスティング用チラシと兼用すれば、印刷経費も下げることが出来ます。
その際に、告知面(ハガキでいう住所の裏)には、店名、業態、オープン日、住所、電話番号、営業時間、定休日、HPやSNSのアクセス方法(URLやQRコード、IDなど)と、初回来店時の特典などを明記しておくとよいでしょう。
ダイレクト集客向き?紙媒体
また、それ以上に直接的に新規客を獲得出来るリアル媒体として紙媒体があります。
新聞や雑誌などに広告を掲載するというのが最もポピュラーな方法です。ですが一方で最も有名な紙媒体であるホットペッパーは最低出稿金額の枠でも5万円以上と非常に高額です。
どちらかというとある程度の席数があり、宴会プランなどで団体を取り込むことの出来るお店向きで、狭小な個人店や単一フード(ラーメンやカレー専門店)のみを提供するお店、ショットバーなどの客単価の低いお店には不向きです。
今は、すすきの通信やすすきのフリークなどの地域密着型の紙媒体や、出稿料金自体は無料のランチパスポート(750円のランチを本誌持参で500円で利用出来るカタログ本)などもあります。(これはこれで上手な活用方法がありますので、機会を設けてお話ししたいと思います)
確実ではないですが、取材記事を掲載している媒体に、プレスリリースをして取材の依頼をするのも有効な方法の一つです。
せこい話ですが取材なので掲載料金がかかりませんし、読者側としても広告然としたページよりも、編集部主導の取材記事の方を熱心に読むというデータもあります。(プレスリリースや企画書についてはいつかもっと詳しく話せればと思います)
テレビやラジオについても同様に、出稿料金が高額であることが多いので、一般飲食店には不向きです。一方で取材に出るとそこそこ効果があります。
また、テレビやラジオではないですが、街頭放送というものがあります。これは、街頭で大きなビジョンで動画CMを流したり、音声CMを流したりするタイプの宣伝媒体です。
テレビやラジオほどの高額な出稿料金でないかわりに、その辺を歩いている人だけがターゲットの宣伝媒体です。(テレビやラジオがダイレクトな集客装置なのに対して、街頭放送は潜在顧客獲得よりですが)
闇雲に手を付けるよりも自分のお店と同じような業態のお店がどういう媒体を利用しているかを分析研究してみるのも非常に役に立つと思います。
★広報活動part1のまとめ
・お店を知ってもらうことで潜在的顧客を増やす。
・広報活動の手段としてリアル媒体とネット媒体の二つがある。
・リアル媒体には、看板、チラシ、DM、新聞、雑誌、テレビ、ラジオがある。
・出稿料金を払う有料の媒体と、取材などの掲載無料の媒体がある。
・知人や同業者などの人脈もリアル媒体の一つとも言える。
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