出てきた出てきた山親爺♪優しく懐かしい昭和なお菓子の札幌千秋庵
札幌で育った30代以降の人なら誰もが知っている札幌千秋庵の「山親爺」のCM。
♪出てきた 出てきた 山親爺 笹の葉かついで シャケしょって スキーにのった山親爺 千秋庵の山親爺 今日のおやつは山親爺 千秋庵の山親爺♪
この山親爺の歌と「タヌキサンバ」(ぽんぽこ札幌 狸小路はぽんぽこシャンゼリゼ〜♪)がセットで記憶にすり込まれている人は多いのではないでしょうか。
「山親爺」は全国的にメジャーなお菓子ではないけど地元民ならばだれもが知っている札幌千秋庵の定番お菓子です。発売は昭和5年。CMの歌どおりにスキーを履いたクマがシャケを背負った姿がレリーフになっています。
その「山親爺」にショックなことが…。
缶入りと箱入りのおまけに入っていたクマのマスコットが無くなってしまいました。
黒いプラスチックでできた2cm程度の小さなクマ。造りが丁寧だとか変わった形をしているわけでもないのですが、なんだか可愛い。
無くなってしまうと寂しいものです。
例えるのなら、崎陽軒のシウマイ弁当から醤油入れの「ひょうちゃん」が無くなってしまうような寂しさです。
クマの同梱が無くなってしまった理由は、製造していた工場が残念ながら閉鎖してしまったそうです。
札幌千秋庵の起点である函館千秋庵総本家には「元祖山親爺」があります。
こちらもスキーを履いたクマがレリーフになっていますが、札幌に比べるとシブいクマ。
パッケージデザインにも重みがあります。
札幌千秋庵から暖簾わけして創業した帯広の六花亭には「郭公の里(かっこうのさと)」というバター煎餅が。クマではなく柏の模様ですが、味はやっぱり「山親爺」です。
千秋庵といえば「山親爺」よりも「ノースマン」のほうが知られているかもしれません。餡をパイ生地で包んだお菓子です。こちらも似ているお菓子はたくさんありますよね。
駅前通りにある千秋庵本店にはカフェコーナーもあります。ラストオーダーが17時30分とちょっと早めなのが残念ですが、あまり混んでいないのでゆったりお茶できます。
地下のフロアにはお茶室があり茶道教室も開かれているそうです。気がついている人はほとんどいないであろう地下街からの入り口には昭和なステンドグラスが。
千秋庵のお菓子にはノスタルジックなものが多く、懐かしい気持ちになります。洗練された流行のお土産に飽きたときに買ってみてはどうでしょうか?
(文と画|森泉サヲリ)
千秋庵 札幌本店さんは同ビル立て直しの際に一度移転し、2020年4月同じ場所に出来たTHE KNOT SAPPORO 1Fにリニューアルオープンしました。