南1条の雑居ビルにモダンレトロな喫茶「カルメル堂」
大通南と南1条の間の中小路、汁無し担々麺の有名なお店の入る雑居ビルにお邪魔した時に、気になるイーゼルを見つけた。
路面ではなく、ビルの6階。エレベーターで6階まで登るとすぐに大きな磨りガラスのついたドア。
カルメル堂
(南1西6)
この昭和30年〜50年頃の古い建物についていたような懐かしいドア をギギッと開けると
開放的な南向きの大きな窓から陽の光が差し込むレトロなインテリアに囲まれた素敵空間が飛び込んで来た。
まだオープンしてひと月ちょっとというこのお店は、森彦で修行された店主さんが開店させた喫茶店だ。
内装、インテリア、カトラリーや小物に至るまでこだわり尽くされた”とてもいいもの”で揃えられた空間は、居心地の良さで包まれている。
メニューはドリンクとトーストやキッシュ、タルトなどのお食事。コーヒーは深煎り、中煎り、水出しアイス
コーヒー以外にも紅茶(うきはの山茶の焙煎紅茶)やチャイ、日本茶(うきはの山茶の特上煎茶|焙じ茶)、ホットココア、レモネード、お酒類と豊富。
この日はギリギリ残り1食にありつけた1日数食限定のフレンチトーストとアイスコーヒーを注文した。
アイスコーヒーを頂きながら、店主さんとスタッフさんの所作をぼんやりと眺める。カウンター席の特権だ。
恐らく前日から仕込まれていたであろうミルク染み染みの食パンが、フライパンの上に載せられると、じじじっと熱の伝わる音が聞こえて来た。
弱火でゆっくりじっくり中まで火が通っていくのを聴きながら、最高のフレンチトーストを待ちこがれる。
シロップづけのレモンとメイプルシロップが添えられて出て来た。
軽く粉糖のかけられた外側は香ばしく焼き目がついていて、ナイフを入れるとまるで生のお肉のようにすううっと切れ目が入る。
待望の一口目を口に運ぶと、たっぷりとミルクが染み込んだそれが口の中でとろけた。
これこれ!これこそがフレンチトースト!と小躍りする。
中心部はトロトロ、耳の近くはモチモチ、粉糖をつけたり、シロップをたらしたり、レモン汁をつけたりしながら、色々な味でフレンチトーストを頬張る。
気づけばあとひと欠片になるまで夢中で口に運んでいた。
名残を惜しみつつ最後の一口を頂く。
これを至福の時間と言わずして何と言おう。
カルメル堂では手作りのスイーツやお食事が常に待っている。
丁寧な仕事を尽くして、カルメル堂が今日もお客様を待っている。