すすきの市場の駄菓子屋さんで懐かし空間にタイムスリップ!「藤川菓子店」
駄菓子を題材にした漫画のアニメ化や、大型商業施設に駄菓子店を出店したという話題が後を絶たない、昔懐かしい駄菓子がブームの昨今。
そんな駄菓子を売っている店がひっそりとすすきのにあるのはご存知だろうか。
「藤川菓子店」
すすきの市場の一角にある駄菓子屋さんである。
すすきの市場に入り奥に進んでいくと、突然ノスタルジックな空間が現れる。店先に歩を進めると齢80過ぎになるという店主さんが笑顔で出迎えてくれる。
大袋のお菓子が並べられたガラスケースと、膝くらいの高さの台に色とりどりに並べられたたくさんのお菓子が郷愁空間を形成する。
普段から親しみ深い菓子や、懐かしさ溢れる駄菓子など様々な種類のものがあり、どれも目移りするラインナップだ。
さらに緩やかな傾斜の台の奥を覗くと、ますます心を躍らせる菓子を見つける。
ガラス張りの蓋がついた窓のような箱がたくさん並べられており、動物ヨーチや芋けんぴ、そばボーロなど、小さいころに祖父や祖母の家で食べた思い出の駄菓子がぎっしりと詰まっているのだ。
我々が思い浮かべる駄菓子屋よりもさらに古めかしさを感じるものまでさまざま。
箱のほかにも、透明で大きい瓶にも様々なお菓子が入っていて、レトロなインテリアのような雰囲気を醸し出している。
これらのお菓子は量り売りになっていて、物にもよるが大体100g200円前後で購入できる。これまた年季の入った量りも、ますます懐かしさを加速させる。
店主のご厚意で、量り売りの牛乳せんべいを試食させてもらった。パリッとした歯ごたえ。あっさりとした甘さの香ばしい風味。
非常に口当たりの良いせんべいである。
「お菓子を見ているだけでも楽しいでしょ?」
とニコニコと楽しげに話す店主。
確かに四方をお菓子に囲まれるということを、幸せという二文字以外に言い表せられないくらいお菓子好きにはたまらない空間である。
店主も終始笑顔でいられる理由が十分に理解できた。
物珍しさと懐かしさに誘われてくるお客さんは量り売りの駄菓子を購入している。
だが、すすきのの中心にあるということで、客層は居酒屋やバー関係の方が多いそうだ。
駄菓子を購入するというよりは、スナックやバーのおつまみにと、小包装のお菓子が大袋に入ったものや、乾物などの珍味を入手しにくるようである。
観光客も多いそうで、北海道で作られた海鮮の珍味をお土産にして買っていく方も多いとのこと。お土産には大袋のさきいか燻製やたこ足珍味が人気商品であるという。
駄菓子も、多種多様なお菓子も揃う藤川菓子店。すすきのに立ち寄ったときは、ここに足を運び、懐かしさに浸り童心にかえってみることをお勧めする。