伝説の行列店「雪風」の元店主のラーメンがすすきのに帰って来た!「和中華と麺 丹陽」がオープン!
すすきのにあの中華職人が帰って来る!
というビッグニュースを知ったのは、たまたますすきのをぶらついていて、出くわした彼本人から「物件を探している」と聞き出した時だった。
いつかはまた彼の作る中華料理やラーメンが食べられる日が来る!というか来て欲しい!と願っていた。
だから、いつかは〜と思っていたそれが、いきなりもうすぐ!と聞かされて、心の準備をしそびれてしまったのを思い出す。
で、出店予定だと聞いていた場所に、ついに看板がつき、寸胴に火が入り、行灯の明かりが灯ったと知って、早速いただきに伺った。
場所は南5条西6丁目 第5桂和ビル 1F(ビル中夜のしげぱん横)
元はバーだった木目主体のシックな外装に、丹陽の文字が踊っている。
「おめでとう」
と中へ入る。
カウンターのみのこじんまりとした店内。席はゆったりめに取ってある。早速メニューを穴があくほど見る。
”オープン記念”期間限定ラーメン”と書かれた麺メニューは以下の通り。
・ゼロヨン味噌(2004年の初期バージョン)
コンセプトはダブルスープ。豚骨スープ鶏白湯。
具材は豚叉、鶏叉、味噌は三種類ブレンド。
850円(ミニ650円 )
・イチゼロ味噌(2010年バージョン)
「ゼロヨン」からのブラッシュアップ。
まぐろ節風味、お米でとろみを付けて。
”揚げじゃがトッピング”もこの頃から。
味噌は四種類ブレンド。
900円(ミニ700円)
・鶏ガラ汐
夜満ちる潮から「汐」に命名。
鶏ガラスープと利尻昆布出汁のダブルスープ。
肩ロース叉焼と鶏叉、塩は三種類ブレンド。
850円(ミニ650円 )
他にもトッピング(細切りメンマなど)やライス、創業当時に出していたシュウマイや隠し味に味噌をいれた焼き餃子もあります。
早速一番上のゼロヨン味噌(この日はハーフサイズのミニにしました)と焼き餃子をオーダー。
先ず焼き餃子がやって来た。
前の店の時から、ラーメンもさることながら、この”隠し味の味噌”入りの焼き餃子は、私の中でも札幌5本指に入るくらいお気に入りで、道民の好きな甘めの優しい味付けに、味噌の力強さを感じる一品だ。
店主は中華料理店での修行を15年積んでおり、中華料理の技法、知識、経験が、彼のベースメントとなっている。
そしていよいよラーメンとのご対面である。
とろみのあるポタージュ風味のスープは、豚骨と鶏のダブルスープ。やや歯ごたえのある麺もあのときのままだ!
ミニといえど、結構ボリュームもあり、具材もリッチなので、〆に最適のサイズ。
スープを一口すすり、麺を一口すする。
奇跡が起こった!
11年前に初めて”とっておきの一杯=雪風のラーメン”を見つけたあの日にタイムスリップした。
「うまいラーメン屋見つけた〜!」
と、心の中でガッツポースしたあの日が、11年前の景色や自分を取り巻いていた状況が一気に蘇った。
最近雪風を知ったという人には意外かと思うが、雪風が行列店となったのはここ4〜5年くらいのことで、私が初めて雪風のラーメンを食べた11年前は、こんなに旨いのに全く並ばないという「並ぶ店だけが旨いわけではない」という私の持論を証明してくれるお店だった。
「丹陽」に込められた想い
「丹陽」という店名の由来を聞きそびれたので、気になって自分で調べてみた。そこにこれか!と思えるものを見つけた。
雪風は太平洋戦争当時の主力駆逐艦約60隻の中で、唯一終戦まで生き残った駆逐艦であり、戦果を上げつつ一度も大きな損傷を受ける事なく終戦を迎え奇跡の駆逐艦と呼ばれた。
終戦後、雪風は日本海軍解体に伴い除籍後中華民国に賠償艦として引き渡され丹陽と改名、同国海軍の主力艦として活躍した。1969年(昭和44年)夏、台湾にて座礁し解体された。wikipediaより
奇跡といわれた日本の駆逐艦「雪風」が、中華大陸に渡る時にリネームされた「丹陽」というキーワード、この屋号には様々な思いが詰まっているんじゃないだろうか?
雪風を作り上げた店主の作る和中華と麺がこれからも奇跡の一杯を届けてくれるにちがいない。
(追記)後日またまた突撃してしまった。